飲料水
（ミネラル・ウォーター）

昔の人は水を利用して（水を用いて）病気を治すことを非常に重視していた。各地の川や湖水、特にわき水と山の水が人の健康に果たす役割を詳しく説明したものが、《中国本草全書》の中で8千頁余りある。

食事療法

2千年前から、食べ物で病気を治すことは、中国の伝統的な医療方法として数多くの本草文献の中にある。その最も代表的なものは唐の時代の《食事療法本草》という本である。これは、中国で保存された最初の栄養学と食事療法の専門書である。この本は数多くの食べ物の功能、効果及び食べ方などを記録しただけでなく、動物の内臓を用いて（食べて）病気を治す方法や、健康に役立つ藻菌類の食事療法も記載されている。これは、人類が豊富な自然資源や海洋資源を利用して、健康食品や藻菌類健康食品の開発などに利用することができる。

健康を保って養生する方法

古代では、人びとは自分の健康を非常に重視していた。1千年ほど前に「丈夫な体は健康の源である」と民間で言われており、本草文献のなかでも養生に関する記載が多く見られる。そして簡単に実行できるものも数多く述べられている。《中国本草全書》では、食事療法でのエネルギー・コントロールや薬草で身体を養生する他、疾患の治療から自然療法まで、養生に関する理論や方法と実践を全て網羅されている。

調合薬

《中国本草全書》に収録された本草文献の中で、調合薬に関する記載は５千頁余りある。これらの調合薬は昔の人が何千年もの間、生産し処方による医療経験を経て、種々の疾病に効果があることと病気の相により処方を変える等により、完成させて伝えられて来たものである。現代社会における漢方薬の生産にも参考にする価値がある。

長寿

昔より永遠の課題として追求してきたのが不老長寿である。特に古代の帝王や貴族たちは、天下の至るところに足を運んで不老長寿に効く霊薬を探した。また、一般の人びとは、菩薩に健康を祈って災難を避ける他に、本草植物を用いて疾患の予防や治療を行い、また若さの保持と健康の増進を図るため有用な方法を利用した。これに関する《中国本草全書》の記載が6千頁ほどある。

美容・美顔

俗に、美しくありたいと願うことは人間の本能であるというが、昔の人も例外ではなかった。《中国本草全書》に収録した文献のなかには、天然本草植物を用いて、肌をきれいに保つなど美容・美顔に関する論述及び方法が2千頁余りも記載されている。現代人にも、いかに美容・美顔をもって若さを保つかなどを参考にする価値がある。

漢方薬の造り方

中国の漢方薬精製には歴史がある。
秦の時代から、人びとはある種類の植物を煎じ、服用して病気を治すということをすでに知っていた。何千年もの間、数多くの生産経験と臨床実験を通じて、中国特有の漢方薬の加工方法と仕上げ工芸の技術を形成し、人類にとって貴重な財産を作りあげた。《中国本草全書》の中には、漢方薬の生産及び加工方法に関する記載が1万頁もある。

漢方薬の栽培

漢方薬の栽培と生産は、中国歴代の皇族と医者たちに大変注目されていた。《中国本草全書》のなかでこれに関する記載が9千頁ほどある。明太祖朱元璋の五男は明朝初期のすぐれた植物学者であり調合薬剤師であった。彼は本草の植物を確実に選別するために、人民の社会に行って現地調査をした。研究する植物をすべて採集し自分の植物園で栽培して、その生長過程を詳細に観察し記録した。また、本草の植物の一つ一つを画家に描かせた。 そして、はじめて本草植物を栽培する実験植物園を開いた。
このことは、ロシア、イギリス、アメリカの植物学者に高く評価された。アメリカの科学史学者サトンは、中世のすぐれた植物園は中国にありと説いた。

酒を醸造する方法（酒の造り方）

《中国本草全書》に収録した文献には、酒の造り方に関する記載が2千頁余りもある。この中では酒を醸造する原料や、その方法から醸造工芸の技術までを極めて詳しく述べられている。特に、酒類の生産工程図においては、酒の生産、醸造に関する基準が詳しく説明されており、中国古代における醸造工芸の技術がすでに高い水準に達していたことがうかがえる。